動画紹介
今回は日本編です。インタースキーに参加したカナダのヘッドコーチであるジョンギリーズ氏によるインタースキー2011の解説動画を紹介します。
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動画
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概略(大まかに言うと?)
- 他国と異なった「2軸ターン」というものを披露した
- エッジングは後半に集中し、吸収動作によってそれを処理している
- レースを想定していえば、レベルの高い滑りとは言えない
技術解説(なるべく正確に訳すると?)
日本は、他国とは異なったアプローチを披露しました。彼らが数年前から取り組みだした、いわゆる「二軸ターン」と言うもので、基本的には身体が外足を追いかけてついて行く操作です。
そしてご覧のように非常に狭いスタンスと、ターンとターンの間の吸収動作、これはほとんど○△□(聞き取れず不明)の様で、ターンの始まりには曲げた足を側方へ伸ばす動きが見られます。
雪面からの圧は、実際の所、多くのシチュエーションでターンの後半に集中しており、それをターンの終わりに非常に素早く脚を抱え込む事で吸収しています。
フォーメーション滑走の振り付けは良いものでしたが、彼らの滑走技術自体はレーシングで結果を出すためのものとしては、練度は高いとは言えないものです。
しかし、見るという部分では非常に興味深く感じるものでした。
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雪の軌跡コメント
2011年の動画ですので、この年の日本のテーマはいわゆる「ハイブリッドスキー」でした。
日本のスキーの歴史の中でも、まさに「黒歴史」とも言うべき指導メソッドでしたが、海外のインストラクターからみてもあまり良い滑りではなかったようです。
と言うのも、世界的には、実戦的なターンにおいて、内脚に荷重を強く残して切り替える事を推奨するケースはほとんどありません。
「正しい」とか「間違っている」という事では無く、「得られるもの」より「失うもの」が多い、リスクの多い滑りだからです。
ただし、「内脚で切り替え」なければ「転倒」してしまうという様な局面では、当然、積極的に内脚で身体を支えます。失うものより得られるものの方が明らかに多いですから。これは、ワールドカップのレースでもよく見られる光景ですね。
ですので、練習においては、内脚だけでターンをする、片足だけでターンをするという事を世界でもたくさんトレーニングします。
(ニュートラルの考え方についての記事を作成しましたのでよろしければこちらもご覧下さい。)
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さて、話を戻して、滑り自体の事を言いますと、滑りの丁寧さ、繊細さ、精密さで言えば、この動画の中で日本は「間違いなくイチバン」だと思います。
しかし、世界の舞台ではほとんど歯が立たない。
なぜでしょうか?
それは我々のスキーの上手い下手の判断基準がずれているからに他ならないからだと私は思います。
世界で勝つという基準で言えばささいな事に過剰な精度を求め、遠回りな努力をしてしまっているのではないでしょうか。それに気づき具体的に修正していく事が、日本のスキーの発展の為に不可欠であると思います。