はじめに
インタースキーの動画を紹介します。
インタースキーに参加したカナダのヘッドコーチであるジョンギリーズ氏が、各国のスキーについての見解を述べています。
スキーの強国と呼ばれる各国の滑りや日本の滑りを、世界のレースシーンでも実績のあるカナダのスキーヤーのコメントと一緒に見られるという点で、非常に貴重な動画だと思います。
残念ながら、今の日本では、この様な情報はほとんど手に入れることが出来ません。
「2011年」と聞くと「情報が古いんじゃないの??」と感じるかもしれませんが、そんなことはありません。世界的には、教程のテーマが改訂の度にガラリと変わったり、過去の技術を踏襲せずに数年ごとに改定する方が珍しいので、7年前のスキーでも十分に参考になります。フランスなどは、私の知っている範囲では、まだ2006年版の教程を最新として使っているはずです。(フランス教程が2017年に、11年ぶりに改訂されいた事を、今日ネット上を散策していて発見しました。訂正致します。訂正:2018年7月28日)
ともかく、頑張って訳してみましたので、下の文章と併せて、ぜひご覧下さい。
動画
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概略(大まかに言うと?)
- 近年、スキー技術は道具の進歩によって大きく発展した
- 世界各国のスキーヤーの滑りは似てきている
- 各国の滑りは、下記の点に共通点がある
- 安定性と左右の脚の機能の独立のための広いスタンス
- 広いスタンスを維持し、ターンの全区間で脚を機能させる
- 板への加重はターン弧の上半分(フォールラインを通過する前)で行う
- フォールラインを過ぎてからはターンを早めにやめるようにする
冒頭の説明、総論(なるべく正確に訳すると?)
この動画では、今日的なスキーについて考察します。近年、スキーの滑走技術は大きく発展してきました。それは、人間の身体の進化と言うより、道具の進歩によるところが大きいです。結果として、各国のトップスキーヤーが見せる技術は、とても似たものになってきています。具体的には、足のスタンスを広くとり、安定性を確保し、左右の脚が独立して機能するようにしている点。
ターン中の全ての区間において脚の機能が維持できるよう、シッカリとそのスタンスを維持している点。
板への加重をターンの弧の上半分(フォールラインを通過する前)の早い段階で行っている点。
そしてエッジングをやめるのもなるべく早い段階で行い、ターンの下半分(フォールラインを通過した後)にどんどんと増える雪からの圧と、悪戦苦闘せずに済むようにしている点などがあげられます。
- 続きの記事はコチラ
リンク:動画紹介(インタースキー2011世界の滑りをカナダが斬る!フランス編)
雪の軌跡コメント
滑りについての概略だけ見ると、日本国内で言われている技術要素とほとんど同じのようですが、実際の滑走技術をつぶさに見ていくと、
我が国で「すべきでない」と言われている技術を良く活用している事がわかります。
一番明確なものは、切り替え時の「踏み替え操作」です。
日本では、カービングスキーになってからは、前のターンの外足が次のターンの内足になるときには、荷重した状態を維持するべきという風潮が強い(特に基礎スキー)ですが、
各国のスキーの滑りを見ると、どの国も明確な踏み替え操作が見られます。
これは滑走者の個々人のクセではなく世界的にはかなりベーシックな技術で、滑走技術の根幹をなすものです。
あまりにベーシックな操作なので、残念ながら本動画の中ではこの操作について特に解説はされていませんが、前述したの通り、かなり重要な技術ですので、別の機会に海外のスキー教本やYouTubeの動画などを紹介しながら、詳しくお話出来ればと思います。