はじめに

今日は、ストックの長さを決める時の考え方と、その突き方についてお話しします!
さあ!こんな人は要チェック!!

「ストックってなんで持ってるの?移動のため??」
「教わった通りには突けてると思うけど…。」
「長さ?お店の人に勧められたのを買って、とりあえず使ってるよー。」
「ストックは伸び縮みするタイプだけど、コブの時の長さに合わせたまま!」
「長さ?なんとなく経験で合わせてるかなぁ。」

分ってるようで分からないストックワーク。
どうでも良いようで、実はかなり大事なストックの長さ。

これから紹介する事を知ってるだけで、滑りがちょっと良くなりますよ
単純に、ストック操作がバシッと決まってるスキーヤーはカッコいいですしね!

さあ、行ってみましょう!

ストックの考え方(総論)

まず、はじめに。

ストックは、一般的に言われているように、タイミング、リズム、バランスをとるための道具ですが、決して単なる指揮棒ではありません!

適切な長さで、適切な位置へ、適切な時に突くことで、いろいろな力を生み出すことが出来、その力が、スキーヤーも気づかないうちに、滑りをより的確で、安全、よりダイナミックにしてくれるという、まさに魔法の杖なのです!!

ストックが生み出す力には以下のようなものがあります。

ストックが生み出す主な力!

  • 長さ ⇒ 身体を浮き上がらせる力を発生させる
    (ターンを終わらせる力=タイミングを取りやすくする)
  • 位置 ⇒ 身体を回転させる力を発生させる
    (ターンを終わらせ、始める力=リズムを作り出す)
  • 長さ+位置 ⇒ 身体を支える場所を増やす、傾きを戻す力を発生させる
    (姿勢を修正する、姿勢を支える力=身体のバランスを維持・修正する)

構え方、突き方によってそれぞれの力がどのぐらい発生するかのバランスは変わりますが、何はともあれ、ただストックを使うだけで、これだけの力をほとんど無意識に発生させることが出来るのです!
どうです?すごいでしょう!!

でも、これだけだとちょっとピンときづらいですよね。

まずは、ストックの長さから、詳しく見ていきましょう。

あ、あらかじめ言いますと、この話の最後の結論、オチ的には、
「結局、スピードと斜面とターンの質によって、適したストックの長さって結構変わってるから、基礎の人はもちろん、競技の人もフリーでの練習用に伸縮ストックを1セットもっといた方が、感覚がつかみやすいし絶対上達にプラスになるよ!
っていう感じになる予定です。笑

こういうのですね。

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ストックの長さ編

ストックの長さの選び方として一般的に、「身長の67~70%あたりにしましょう!」という方法論だけが語られがちですが、その言葉の根っにはちゃんとした考え方があります!
(基礎スキー向けのハウツー本だと65%ぐらいと言っている場合もあります。)

それは、

『自分が切り替えの時にどのぐらいの姿勢で居たいか?』

という考えです。

ストックの長さが身体を浮き上がらせる!

ストックには、ちょっと大げさなたとえですが、棒高跳びの棒のように身体を浮き上がらせる力があります。

棒高跳びのイメージ

ストックを雪面について、そこを通過するときに、身体はストックの長さ分だけ上方向へ浮き上がらされます。

なので、ストックの長さを選ぶ時の基本的な考え方は、

ストレッチング(立ち上がり)の切り替えがしたいなら長く、

ベンディング(抱え込み)の切り替えがしたいなら短く、

です。

こういうイメージになります。

高い姿勢で切り替えたいときは、長いストックを突く
ストックの長さが身体を浮き上がらせるイメージ

低い姿勢で切り替えたいときは、短いストックを突く
ストックの長さ低い時

また、この時に、遠くに突けばつくほど、ストックが生む力がよりしっかりと身体にかかるようになりますので、そういう部分でも長いストックと短いストックは差があります。
(短いストックでは、やはり遠い所へ突くのはちょっと難しくなります。)
このあたりも、あとで実際の突き方、突く位置を考えるときに、必要になりますのでちょっと覚えておいてください。

ストックの長さの選び方

さて、これまで話したような考え方をもとにして決めるストックの長さですが、冒頭で言ったように、一般的にはよく身長の67~70%程度と言われたりしますよね。
このよく言われる数字の根拠というのも、は、大体その長さにすると、大体の場合、人が直立したときにちょうど肘が垂直になる長さになるからです。

昔から変わらない世界各国で共通なストックの選び方

出典:SkI TIPS for KIDS p.95 / Mike Cleeland, Alex Everett 著

そして、そのぐらいの長さのストックというのは、しっかりと使うと、選んだ時の姿勢ぐらいまで、身体を浮き上がらせ てくれるポテンシャルを持っているのです!

まとめると、こういう感じになります。

ストックの長さと浮き上がらせる力の関係
ストックの長さ
一番左のストックはかなり極端ですが(笑)、こんな感じです。

切り替えの姿勢が、直立に近いのであれば、長めのストックを、
切り替えの姿勢が、中腰であれば、その姿勢に合わせた短めのストックを選びます。

初中級者は、ストックの力がきちんと活かせるので長めがいいです。
コブなど想定して短いストックを選ぶのはなるべくやめてください。確実に上達の妨げになります。
初中級者でも、スキーをレジャーではなくスポーツとしてするつもりがあるなら、長さが自由に調整できる伸縮式がおススメです。

今どきの伸縮は、ワンタッチで固定と解除ができるタイプが主流で、昔のねじ込み式のものと比べて非常に簡単に長さが調整できるようになって、信頼性もかなり良くなっていますので、昔のタイプで懲りて伸縮アレルギー気味の人も是非試してみてほしいですね。

上級者で、もし伸縮式のストックを使っているなら、今度滑るときには普段よりちょっと長めにトライしてみてください!
競技をやっている人だったら、GS用の長めのストックで色々な滑り方にトライする、という方法もありますね!

というのも、色々な斜面を滑ることが多い世界では、短くて貧弱なストックだと、こういう操作ができないという事もあり、上級者でも長めでゴツいストックを使う傾向があるからです。

Skiing: How to Pole Plants(スキー:ストックの突き方)

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いわゆるプロペラ系のターンですね!
日本だと、プロペラターンはスポコンとかシゴキのトレーニングとしてしか認知されてないような気がほんのりしますが、海外では斜面を攻略するための立派な技術です。

また、これもあまり知られていない事ですが、プロペラターンという技術のキモの一つには、『ストックをしっかりと突いて身体の支えを作った状態でジャンプする』という事があります。
そういう観点で動画を何度か見て頂けると、ストックの使い方というのが、感覚的に理解していただけると思います。

この操作は、「ストックが浮かび上がらせてくれる」という今回お話ししているテーマとは少し外れてますが、「支えて、浮かせる」というのも、ストックを活用するからこそ出来る運動なんだな、ってことを覚えておいていただけると良いですね。

こういう操作をしなさい、という事ではなくて、「そういう力の活かし方もある」という事を知っているだけでも、滑りにちょっとした違いが出てきますから。

もう一つ動画を追加します。

”スキーの驚異”でのジャンプターン

引用・出典:スキーの驚異(1920年 アーノルド・ファンク/ハンネス・シュナイダー BS2放送抜粋)

このように、いっさい人の手で整備されていない雪山を、今よりもはるかに貧弱な装備で滑ることは、常に危険と隣り合わせでした。
このジャンプターンも、トリックというよりもむしろ、危険を回避するための、無事に生きて帰る為に必要な技術として使われていました。

雪質が怪しい、雪の中で板を振り回すのが難しい状況ではいっそジャンプしてしまった方が安全という事です。

このような昔のストックの役割を踏まえたうえで、ストックの機能や役割について改めて考えるのも面白いと思います。

※今のストックは、このような極端な操作を想定して設計されているかわからないので、うかつに真似をしないようにして下さい。ストックが折れたりすると非常に危険です。

ストックの突く位置編

今度はストックを突く位置についてです!

ストックの付く位置を決めるには、

「ストックに、どのぐらい、ターンを終わらせる&ターンを始める手助けをしてほしいか」

という考え方をします。

ストックが身体を回転させる!

というのも、ストックには、浮き上がらせる力の他に、突くことで身体を回転させる力を生み出す能力があるからです。

これは、日常の物や動作にたとえると…、なんですかね?

手漕ぎボートが、曲がるときに内側のオールを水に差してブレーキをかけるような感じですね!

オールを水に差して進路を替えるボートのイメージ(真上から見たところ)
オールを使って曲がるボート

普段から手漕ぎボートに乗る人はあんまりいないでしょうね…、スミマセン。イメージできますかね??

これは力学的に言うと「モーメント」とか「トルク」と呼ばれる力で、テコの原理とも言います。

テコといえば、こんな感じですよね。

ボルトとスパナに働くテコのイメージ
スパナとボルトのテコ
こっちの方がイメージしやすいかもしれませんね!

手では回せないようなボルトでも、スパナを使ってあげると楽に回すことが出来ます

これらと原理的には同じことが、ストックを突いたときのスキーヤーにも起こっているのです!!

ストックを突いた時の力で、曲がるスキーヤーのイメージ(真上から見たところ)
ストックで回る
ただストックを突く『だけ』でも、スキーヤーの滑る向きが変わるような力が発生します。

これは、大げさな話ではなくて、実際に平らな斜面でなら十分、体感&観察することができる意外と大きな力です。

ごくごく平らな斜面で、板はフラットにして直滑降、長めのストックをしっかり突いてみましょう!
上手くできるとそれだけで方向が変えられますよ!

ストックの突く位置によって変わる回転力

この力は上で説明した様にテコの力と原理は同じですので、大雑把に言ってしまうと、腕を横に伸ばせば伸ばすほど、力は強くなります
もちろん、ストックをしっかり前に突くことも大事です!
そうしないと、進行方向と逆側に向かう力(回転させる力)が生まれませんので!

図で表すとこんな感じです。

ストックを突く位置によって変わる力の量と回転力(真上から見たところ)
ストックを突く位置の図
ストックを構えている人を上から見たところをイメージして書いた図なんですが、分かりづらいですかね、伝わります??

横方向が回転力、縦方向が受け止める力の量です。

例えば、ショートターンをする時など、ストックから回転する力をしっかり受け取りたい時は、BとかDのエリアにストックをしっかり突く、というような事です。

シルエット的にはこういうイメージです。

ストックからの回転力を確実に受け取るための典型的な構え(ブロッキング姿勢)
ストックを突くときのブロッキング姿勢
出典:日本スキー教程 表紙 / 公益財団法人 全日本スキー連盟著

左手の構えです。手のひらを進行方向に向けるようにストックを構え、突きます。
強い回転力を得られる突き方です。

北米では、こういう力を引き出すためのストックワークを、ブロッキングポールプラントと読んだりします。
言葉の由来がいまいち分らないので、たぶんの話になりますが、ストックが上半身の動きをロック(ブロック)するので、ブロッキングというのでしょう。

この脇を締めるような、腕の使い方の良い所は、BやDのエリアにしっかりとストックが突けるだけでなく、肩と肘がしっかりとロックされ、ストックから受ける回転力がダイレクトに上半身に伝わる点です。

しかし、その半面、ハイスピードでのターンには向きません
なぜかというと、受け止める力が大きくなり過ぎて、過度に身体を浮き上がらせてしまったり、後傾を誘発しやすい事、腕や肩の関節への負担が大きくなる事からです。

ですので、中速以上の場合はAとかCのエリアに突くといいでしょう

構えは、たいていの場合こういう形になります。

ストックから回転力を受け取りたくないときの典型的な構え
回転力を嫌ったストックの構え
出典:日本スキー教程 表紙 / 公益財団法人 全日本スキー連盟著

肘と拳の位置関係が、先ほどの姿勢と全然違うのがお分かりいただけるでしょう!

突く位置が身体に近いほど身体を回転させるテコの力が小さくなりますので、こちらの方がハイスピードには向いています

どちらの操作も併用しているスキーヤーが多いと思いますが、それを理解して意識して使いこなせるとパーフェクトです!

補足!

ストックを突く位置というのは、やっぱりわかりづらいようで、レッスンなどでもよく聞かれます。

この時に、よく、

「板の3分の1ぐらいのところですか?」

「板から横にどのぐらい離れたところに突いたらいいですか?」

という風に質問いただく場合がありますが、板を基準にするとあまりストックは上手く突くことが出来ません

これはなぜかというと、スキーは板の向きと進行方向が合わないことが多いからです。
初中級者はズレを伴ったドリフトのようなターンを使うことが多いので、なおさら分かりづらくなってしまいます。

なので、ストックの突く位置は、板の向きは気にせず、身体の進む方向を基準に考えるようにしましょう!

こういう事です。

板の向きにとらわれずに突くゾーンを考える
進む方向基準でストックを考える

相変わらず、わかりづらい絵ですみません!

もし、板を操作して、赤い大きな矢印の方向に板が向いているとしても、スキーヤーが黄緑の大きな矢印の方向に動いているなら、その矢印に沿うようにABCDのゾーンをイメージする、という事です!

こういう意識を持つと、上半身と下半身を逆に使う、いわゆる「外向傾姿勢」の意識もできて、一石二鳥!!

さて、これでストックとの突く位置と、生まれる力については以上です。

だいぶ出そろってきましたね。

ストックの長さは、浮き上がらせる力。身体を上方向に動かします

ストックを突く位置は、回転する力。体を水平方向に回転させます。

次は、なんでしたっけ?

そう、長さ+位置で、支える場所を多くし、バランスを修正する力を生み出す、でしたね!

それでは、詳しく見てみましょう!

ストックでのバランス維持・修正編

バランスの維持、支える場所の多さ、支持基底面

ストックがバランスを維持する力というのは、単純です。

ストックを突くことで、身体を支える場所が多く(広く)なる、だから安定する。

難しい言葉では、支持基底面が広くなる、とも言います。

こういう事ですね!

支える場所の多さ(広さ)と倒れにくさの関係
支持基底面と重心

左から順番に、身体を支える場所(支持基底面)が広くなっていて、広い方が安定します。

そしてこの図の三人のうちで転ばないでいられるのは、一番右の人だけです。
(靴で立っているという事にしてください。笑)

これはなぜかというと、左と真ん中の人は、重心から下に降りてくるオレンジの点線が、支持基底面からはみ出てしまっているからです。

ストックを突くと、支持基底面が広くなり、オレンジの点線がはみ出ない。だから転ばずにすむ。
とはいえ、一番右の人もかなりギリギリのきわどいバランスで持ちこたえてますが…。
もっと極端に書けばよかったですね。笑

とくにカナダのスキーではこの考え方(ストックによって支持基底面を広げる事)を非常に大事に扱っており、切り替えにおける技術の中のひとつのキモとして説明しています

カナダの教程での支持基底面とストックの説明
ストックと支持基底面

The base of support(BOS) is the area between all points that support the body. A wider stance broadens the BOS and increases stability. A pole plant also momentarily increases the BOS. balancing over a smaller BOS is also possible, although less force is required to push the skier out of equilibrium.

支持基底面(BOS)というのは、すべての身体を支えてくれる点を結んでできるエリアの事です。広めのスタンスは支持基底面を広げ、これによって安定性も向上します。ストックを突くという行為もまた、瞬間的にではありますが、支持基底面を広げます。小さな支持基底面の上でバランスを取ることももちろん可能ですが、小さな力によってバランスは崩れてしまいます。

出典:CANADIAN SKI TEACHING p.4.2 / CSIA著(2011版)

実際には、この板がフラットになるかならないかのタイミングで突くストックには、支持基底面を増やすのに加えてもう一つの良い効果があります。

それがバランスを修正する力です。

バランスを修正する力、横方向の力

修正する力というのは、主には、ストックを突いた時に生じる身体の横方向に働く力です。

さっきの写真にまた登場してもらいましょう。こういう事です。

ストックを突いた反動は上半身を山側に運ぶ!

出典:CANADIAN SKI TEACHING p.4.2 / CSIA著(2011版)

ストックを突くと、黄緑色の方向に力が生じ、次のターンへの体重移動の手助けとなります

この操作は、ターンの終わり際ではなくて、いわゆる両足フラットの『ニュートラル』状態や、次のターンを始めるために山足のエッジを変えるときにキッカケを与えてあげる為に突くタイプのストックの使い方で、ロングターンやシュテムターンに向いています

これは、どちらかというとクラシックな技術っぽいですが、カナダの教程の抜粋で見て頂いたように海外ではいまだに現役の操作です
とりあえず動画を見てみましょうか、昔の滑りの動画の方が分かりやすいと思いまして、この動画をチョイスしました。

ステンマルクのフリースキーロングターンの巻

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いやぁ~、クラシックですね~!

でも、今見ても色々と学ぶことはたくさんあるんですよ!!
まあ、それを語るとまた長いので、とりあえず、今回のテーマであるストックについて説明しましょう!

残念ながら、ストックを突いたときの反動が身体を押し戻す様に作用しているかまでは、ちょっと動画では観察できませんが、突いたときの衝撃が肩を押し上げているのは観察できると思います。
この時に、横方向にトルクがかかって、わずかに身体が山足(外足)方向に押し戻され、板に乗りこむキッカケ作り、手助けをしてくれているのです。
ただ、基本的には、一番最初に説明した浮き上がらせる力の方がメインで、横方向への力はおまけのようなもの、という感じの操作ですね。

横方向への力を増やしてあげたいときは、どうしたらいいでしょう?
答えは簡単で、ストックをなるべく横にしてあげればいいのです。

こういう事です。

ストックを横にすると、横方向への力が増す
ストックのアングル

ストックを立てて使うと、浮き上がる力がメインになり、横方向への力はついでに発生する程度となります。

ストックを横に寝かせて使うと、浮き上がる力はあまりもらわずに、横方向への力を効率的に受け取ることが出来ます。

近年のスキーは、昔と比べて高速化しており、突いたときの衝撃と浮き上がる力が強すぎてしまうので、ストックを立てずに寝かして使うことが多くなっています。

今日的なストックの寝かせ方
今日的なストックの傾げ方
出典:日本スキー教程 p.169 / 公益財団法人全日本スキー連盟著

注意!

ストックを突くと、その反動で身体が側方(山足、外足)に押し戻されるという話をこれまでしてきましたが、注意してほしいのは、ストック操作だけでは、内倒などの悩みを抜本的、根本的には解決できないという事です。

カナダの教程の抜粋に書いてあった通り、ストックの力がかかるのは、ターンの中でもほんの一瞬、わずかな時間だけだからです。

そういう悩みがある人は、足元のしっかりとした操作も合わせて練習していきましょう!

まとめ

えらい長い話にお付き合いいただきまして、ありがとうございました。やっとまとめまで来ました。

ストックが生み出す力には以下のようなものがありましたね。

まとめ

ストックが生み出す主な力!

  • 長さ ⇒ 身体を浮き上がらせる力を発生させる
    (ターンを終わらせる力=タイミングを取りやすくする)
  • 位置 ⇒ 身体を回転させる力を発生させる
    (ターンを終わらせ、始める力=リズムを作り出す)
  • 長さ+位置 ⇒ 身体を支える場所を増やす、傾きを戻す力を発生させる
    (姿勢を修正する、姿勢を支える力=身体のバランスを維持・修正する)

ストックの長さが、浮き上がる力の強さを決めます。
ストックの長さ

ストックの突く位置で、回転力の強さが決まります。
ストックを突く位置の図

ストックの長さ+位置&傾け方で、バランスを維持・修正する力が決まります。
ストックのアングル

これらを上手く組み合わせて使ってもらうことで、滑りがかなり変わります!

なぜかはもう説明しないでも大丈夫ですね!

なぜなら、ストックはキチンと使うだけで色々な力を生み出して、スキーヤーが意識しないうちに滑りを整えてくれる、魔法の杖だからです!

使い方の例

「上手く組み合わせるって、その上手くをどうするか聞きたいんだっつーの!」

「まとめまで読んだけど、話が長すぎて、結局、実際にどうしたらいいかわからない!」

という声が聞こえてきそうな予感がしましたので、『こんな感じでどうでしょう?』という例を作ってみました

あくまで例ですので、これを基準に色々試してみて、自分に合ったストックの長さを見つけましょう!

とはいえ、ストックはやすやすとは切れませんし、武蔵坊弁慶みたいに山ほど担いでいくわけにもいきませんし、体格、好み、いろいろあって長さ調整ができないタイプでは色々試すのは難しいですよね。

上達のためにはやはり1セットは伸縮式を持っておいてもらった方が良いと思います。
コブの深さによっては、長いストックはやはり邪魔になったりもします。

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初級者の場合(ストックに慣れるレベル)

・ストックは長く(身長の70%ぐらい)
・突く位置は、あまり気にしない。腕を動かしすぎると別のところに悪影響が出るので、ABCDの真ん中ぐらいにしっかり突く。

中級者の場合(ストックを使うレベル)

・ストックは長め(小回りで身長の67、大回りとシュテムで70%ぐらい)
・突く位置は、大回りではA、小回りはB、シュテムではBかDのあたりに突く。
・小回りは脇を締めてブロッキング気味に、シュテム大回りはやや今日的な傾け方でストックを突く。

上級者の場合(ストックを使いこなすレベル)

・ストックは状況にきちんと合わせる(身長の65~70%)
・突く位置は、ハイスピードを想定して、CかDがおススメ(スピードによっては身体の真横でもOK)。
・高速でのブロッキング操作は危ないので、小回りから大回りまで、今日的な傾けストック操作を。
※私見ですけど、低速での演技の場合に、AやBの位置、ブロッキング姿勢を明確に意識して使っていることが表現できる人は、かなりカッコイイです。

まとめの最後に(メッセージ)

さて、今日のお話はこれで以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました!

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