この記事では、インタースキー2015の各国の滑りについて見てみようと思います。
今回は、基礎パラレルターン編です。

基礎パラレルターンは、各国の、スキーの技術解釈の違いの基本的な部分が見えたりするので、世界においてのスキーの違いを知るきっかけとして、非常に良いと思います。

これから、それぞれの国に対して、色々コメントを書いていきますが、言葉では伝えづらい所もあります。
何故かというと、そもそもスキーというのは言葉ではなくて、身体を使って(それもかなり複雑に使って)するものだからです。

なので、「説明見ても何だか分かりづらいな」という場合は、ただ動画を漠然と見て、心の中に「ちょっとした違和感」を感じてもらえるだけでも良いと思います。
「見て」「感じる」事はとても大事です。

例えば、
・日本で「上手い」と言われている人の滑り方とナンカ違うなぁ…
・他国の代表選手の滑りがすごく「下手に」見えるんだけど…?
とか、

具体的なところでは、
・日本で正しいと言われている、こういう事をしていないような…
・日本で間違っていると言われている、ああいう事をしている…?

その感じた部分が、あなたが気づくことの出来た、『日本と世界の差』です。

動画全編

まず、動画を丸ごと貼ります。

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動画は、2011年インタースキーの記事でも引用させて頂いたCSIA(カナダの団体)のもので、
2015年版のインタースキーの動画です。
こういう貴重な情報を、誰でも見られるようにアップしてくれているのは本当に有難いですね。

◆冒頭用語解説
・INTERMEDIATE(インターミディエト)
⇒中間の、中級の、
※日本の「基礎パラレルターン」という用語には、「最初の、初歩の」というよりは「基本が出来ている」というニュアンスがあります。

・BLACK DIAMOND SLOPE(ブラック ダイアモンド スロープ)
⇒上級斜面、急斜面

・SOFT VARIABLE SNOW ON GROOMED(ソフト バリアブル スノー オン グルームド)
⇒柔らかい変化に富んだ雪が圧雪斜面に積もった状態

オーストリア

オーストリアです。
オーストリアは言わずもがなの世界最強のスキー大国ですね。
スキー滑走技術の黎明期から、今日に至るまで、技術の発展をけん引してきたスゴイ国です。
当然、選手層も厚く、常に多くの選手が世界ランキングに載っています。
では、滑りを見てみましょう。

女子

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0:24~0:50

男子

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4:32~5:04

さて、滑りの解説です。
動画の滑りは、まさにザ・オーストリア、といった感じの滑りですね。美しいです。

ただ、女子の方が男子よりも、典型的なオーストリアスタイルって感じだと思います。
男子選手は少しだけ板を横に強く押し出していて、そこがちょっとオーストリアっぽくないような…?
(本家の代表デモの滑りに、私がケチをつけるのはなんか変ですけどね。笑)

全体的には、コンパクトでシンプルな身体の使い方に注目です。
傾きをいかに作ってターンをコントロールするか、ではなく、
外足にいかにしっかりと体重を乗せてターンをコントロールしていくかを意識していて、
それが、結果的に、静かでコンパクトな滑りのスタイルとして表れています。
そして、コンパクトな中にも、オーストリアの歴史と伝統、そして強さを象徴する、上半身の外向・外傾の姿勢がしっかりと見えます。

雪の感触を確かめ、板と会話をしながら、静かに板に乗り斜面を滑り落ちていくような、
いわば「身体全体がスキーと一体化したスタイル」とでも言えるでしょうか。

切り換えで、ターン内側ではなく、スキーの前方向へ大きく立ち上がり動作をしている所にも注目です。

ちなみに、滑りの誉め言葉で「コンパクト」という表現を先ほど使いまして、これから別の国の解説でもしばしば使うんですが、断っておくと、これは一般的なスキー用語ではありません。
「滑りや姿勢が綺麗にまとまっていて、機能的に運動できている」っていう事を言いたいんですが、上手い言葉が見つからなくて…。笑
やっぱり言うとしたらコンパクトな滑りって感じなんですけど、動画からその雰囲気、伝わりますかね??

なお、国ごとにスタイルの違いは当然あるものの、スキーで実績の多い国の滑りは、どの国にも独特の「コンパクト」さがあり、美しい滑りをします。

カナダ

カナダです。
カナダは、最近ではあまりランキング上位に入る選手を輩出できていない印象ですが、それでもワードカップでポイントが取れる選手をコンスタントに育成出来ている国です。レースシーンでは中堅下位といった感じでしょうか。

女子

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0:52~1:29

男子

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5:06~5:34

解説として、全体的には、ターンしている時の、板に身体の重さを預ける姿勢が、やや特徴的かなと思います。
板を斜め前に押し出して、身体全体の重さで雪を押しどけてターンを作っているというか。
(別の記事、プルークファーレンで紹介している「綱引きポジション」に通ずるものがあります。)
減速、スピードコントロールを重視した動きです。

後は、切り換えでの両足の使い方ですね。
山足(前のターンの内足、次のターンの外足)の伸ばし荷重で、ターンを終わらせるテクニックは、日本以外の国では、すごく標準的で基本的な技術ですが、
カナダの滑りでは、その力を、身体を次のターンの内側に傾けるところまで使っています。

ちなみに、カナダの教程は、運動時の姿勢や、板の動かし方については、あまり決まりきったカタチを決めない手法というか、「絶対外しちゃいけないポイントさえ押さえておけば、個々人の身体のクセとかもあるし、そんなに細かく言わなくても別に良いんじゃね?」的な、結構大らかなスタイルを取っており、その辺から、人によって滑りのスタイルが違ったり、時に滑りがやや大雑把に見える感じがあります。笑
(でも、そのポイントっていうのが、上手くツボを押さえていて、中々良いんですよね、これが。良くできた教程ですよ。)

イギリス

イギリスの滑り、結構好きなんですよね。
世界の頂点を競う、ワールドカップのランキングにはあまり登場しない国ではありますが、安定感のあるシンプルで堅実な滑りは、見ていてとても楽しいものです。
また、余談の豆知識ですが、世界のスキーの進歩の歴史においては、イギリスは、スキーを「生活手段」や「軍事技術」から「スポーツ・競技」へと発展させるのに多大な影響を与えた国でもありまして、そういった意味でも、実はスキーの歴史に関わりの深い国なのです。
さて、滑りを見てみましょう。

女子

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1:30~2:15

男子

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5:35~5:57

滑り全体としては、オーストリアとはまた違うコンパクトさがありますね。
オーストリアとの違いは、板をあまり回旋させず(≒外向をあまり作らず)、乗り込みながら進行方向を変えていくあたりでしょうか。
上下動もコンパクト、というよりは、ターンの終盤で身体の沈み込み(しゃがみ動作)をあまり使っていない滑りです。
スピードコントロールは、板の回旋(外向)による減速力が働かないため、ターン弧を深くして(斜面の横へ大きく曲がって)行っています。
この基礎パラレルターンでは、なんともおとなしい滑りですが、実戦的な滑りは結構攻撃的でカッコイイんですよ。

イタリア

はい、イタリアです。
イタリアもアルペンスキーが強い国ですよね。

で動画なんですが、これは、ちょっとアレですね。
インターミディエト(基礎パラレルターン)のレベルをちょっと超えちゃった感のある滑りですね。笑

女子

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2:17~2:32

男子

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5:58~6:14

冒頭でも述べた通り、インターミディエト(基礎パラレルターン)は日本では大体2級レベルなんですが、イタリアの中級レベルはこんなにスピード出しちゃうんでしょうか?

私の認識だともう少し、基礎パラレルターンでは脚の回旋を使う印象だったのですが。
こんな風に、、、

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もっとも、これは10年ほど前の動画なので、指導や解釈のアプローチが今は変わっている可能性も大いにあります。気になりますね!

それはさておき、2015年版の解説です。

全体的なところで言うと、イタリアと言えば、やはり高い姿勢が特徴的です。
ターン中の外脚はずーと長い、ターンの終盤にもしゃがみこまない、切り換えでも立ち上がり、両脚が長く伸びています。
切り換えの流れも重視している感じがありますね。
前のターンを終わらせて次のターンを始めるときの山足の動きを、中級レベルであっても別々にするのではなく、一つの動きとして解釈する様にしている感じに見えます。
(これは上で紹介したちょっと古い動画でも一緒ですね、切り換えの流れがスムーズです)

「コンパクト」という言葉のニュアンスとはちょっと違う感じがありますが、シンプルで無駄がなく、「慣性の力の流れを活かしている」とでもいうような、的確なスキーへの働きかけが見える、美しい滑りです。

教程はまだ入手できていないんですが、滑り自体はかなり好きです、イタリア。
そのうち、しっかりと勉強をしてみたいです。
運動効率が良くて(疲れづらくて)、普段のスキーに活用しやすい、高い姿勢のスキー操作をベースに据えていてるのは、とてもナイスだと思います。
(イタリア人は、かなり速いスピードでも、切り換えの姿勢を高くする傾向があります。)

この辺は日本で言われているのと、逆です。
速く滑るときは、必ずしゃがんで切り換えなければ、検定や大会で点が出なくなります。

どっちの国が良い事を言っているかは、世界的な実績からして明らかですよね。

韓国

韓国は、隣国という事もあって、日本のお家芸「基礎スキー(魅せるスキー・採点競技に特化したスキー)」に強く影響されている国だと思います。

女子

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2:33~2:59

男子

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6:51~7:13

全体的には、非常に狭いスタンス、内足への体重の乗せ方、身体全体の傾きが特徴でしょうか。
軸の傾きなどの身体の使い方は、日本がかつて提唱していた、トンデモスキー理論、「ハイブリッドスキー」の影響を感じます。
また、他国と比べて丁寧に板を扱っており、非常にスムーズなターンを描いているところも、日本と似ている点です。
とはいえ、日本よりも強めに外足に体重を乗せて、スピードと方向をしっかりとコントロールしている所などには、韓国の独自性を感じます。

ちなみにアルペンのワールドカップでは、2018、19、20年と3年間連続で日本は韓国にランキングで負けています。2020年の韓国はポイントを獲得、日本はノーポイントでした。
2017年以前は、ランキング的には完全に日本の格下だったのですが。

訳の分からない技術論を国内でこねくり回している間に、どんどん他国と差が付き、あまつさえ、今までランキングが下位だった国にも負けてしまう様にまでなってしまった我が国の現状については、本当に残念に思います。

スロヴェニア

ワールドカップのレースシーンで静かな存在感を放つスロヴェニアですが、私にとっては、正直あまりなじみのない国です。(公用語が複数の国で通用する言語ならやる気も起きるんですが、スロヴェニア語っていうのは、ちょっと…。)
あとは、youtubeで動画を結構アップしてくれているっていう印象ぐらいでしょうか。

調べてみると、中央ヨーロッパに位置しており、ダウンヒルやスーパーGなどスピード系種目を得意とするお国柄の様ですね。
また、ワールドカップでポイントを取れる選手をコンスタントに輩出しており、女子においては、全種目の年間総合順位で、一ケタに食い込む選手を輩出した実績があるなど、技術解釈や指導法などでもノウハウの蓄積がありそうな国です。

さて動画です。

女子

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3:02~3:21

男子

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7:52~8:14

滑りの全体としての特徴は、大きく、かつ動きのメリハリのある上下動でしょうか。
全体的にはイタリアとオーストリア両方の特徴を持った動きと思いますが、両国よりも動きが荒っぽいというか、ダイナミックですね!

細かく言うと、切り換えで立ち上がった時に、腰が上と前へ大きく動き、合わせて上半身が強く起き上がる所は、かなり特徴的です。
また、板のトップを使うというよりは、板全体を踏みしめる様にして、板全体で雪を削ってターンを描いていく様な意識を感じます。

このぴょこぴょこした動きは「魅せるスキー」を偏重する日本では、完全にNGとされる動きですが、日本よりもはるかに多くの世界で戦える選手を輩出している国が、その動きを「基礎パラレルターン」で積極的にしているという事は、非常に興味深いですね(われながら、イヤミっぽい言い方!笑)。

スイス

スイスもスキーレースにおいて、間違いなく強国と呼ばれるような国ですね。
近年は年間総合優勝になかなか手が届いていないですが、毎年の年間総合ランキングでも上位30位以内にはコンスタントに入る選手を複数人、常に育成出来ている国です。
日本から見れば間違いなく強国の一つなのですが、本人たちは満足していないらしく、再び世界一の栄光を取り戻すべく、近年、教育・育成・強化体制の変革に取り組んでいるようです。

女子

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3:22~3:43

男子

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8:16~3:38

滑りの全体的な特徴は、あまり板を捻ったり振り回したりせずに、スキーにしっかりと身体を乗せて、身体全体の傾きを使いながら滑り降りているところです。スタンスも狭いですね。傾きは強いですが、安定感があり、独特のコンパクトさがあります。

あとは、目立つところと言えば踏みかえ操作でしょうか。
女子の滑りでは少し見えづらいですが、男子では、切り換えから、谷回り(ターンの上半分)のあたりまで、意識的に内足のスキーを雪面から浮かせているのが見えます。

ちなみに、踏みかえや、ターン中に内足を浮かせて使う事も、日本では、カービングスキーになる前の技術、いわゆる「古い考え方の滑り」、「古いスタイルの滑り」≒「非効率で不要になった運動」と、否定されがちです。
我が国では、旧来からある技術について、しっかりとした評価が出来ておらず、メリットがキチンと認識されていないので、指導の体系から色々な事が抜け落ちてしまっています。

アメリカ

アメリカですね。
アメリカも強い国です。男子、女子ともに、ここ十数年の間でワールドカップで年間総合タイトルを獲得できるスーパースター選手を複数輩出できており、また次を狙えそうな世界ランキングの上位や中堅あたりにも選手が複数人控えています。

女子

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3:44~4:04

男子

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8:42~9:08

アメリカは、滑りの流れや一体感というものではなく、人間の体や関節の構造の理解を基に、システマチックに滑りの解釈をしている国ですが、それが滑りに表れていると思います。

ターンに入る前に板をしっかりと回旋させる、雪を受け止める姿勢(外向姿勢)が出来てから身体を内側に傾ける、その姿勢を活かして雪を削ってターンを描く、山足の伸ばし動作でターンを仕上げる、具体的には、こういう所です。

身体の関節や板を不用意に動かさないコンパクトな動きは、レーシングにも通じる技術ですが、その中にも、しっかりとした板の回旋によるスピードコントロールが表現されており、レースに留まらない非常に対応幅の広い、確実性のある滑りだと思います。

オーストラリア

オーストラリアは、オーストラリア流というか、ちょっと独特な滑り方をする国ですね。
あまり詳しくは知らないんですが、日本と技術的な交流もほんの少しあるようで、近年は特に日本の基礎スキー(魅せるスキー・採点競技に特化したスキー)に近い身体の動きや、板のさばき方をする印象があります。
なお、元々魅せるスキー寄りの滑りをするので当然と言えば当然なのですが、世界のレースの舞台ではあまり名前を聞かない国です(加えて、南半球はスキーシーズンがかなり短いみたいで、その辺も不利なようです)。
なお、これ以降の国の滑りは男子のみとなります。

男子

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4:09~4:29

この滑りの特徴としては、狭いスタンスと、ターン中に足を置いている位置ですね。かなり横に押し出して滑るというか、板の捻り方(回旋の仕方)も、ひざ下を多めに使う感じで、独特です。
(他方、アルペンスキーが強い欧米を中心とした国々は、脚全体(股関節から下全体)を使う傾向があります。)
あとは一人目はかなり意識的に、ターン中に内足を接雪させていますが、二人目は、逆に意識的に内足を持ち上げてターンしているのが、なんとも興味深いです(内足の扱い方について、国内共通の考え方やメソッドが無いのでしょうか?)。

日本

日本です。
我々日本人としては、よく見慣れたおなじみの滑りですね。
とはいえ、日本のスキーには、日本独自の流行りがあり、この動画の滑りは、今現在の基礎スキーともちょっと違いますので、その辺を見ると面白いかもしれません。

男子

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6:16~6:49

この動画は2015年(14-15シーズン)ですので、すでに指導教程的には、日本スキー史の汚点「ハイブリッドスキー」から脱却して、現行の「少しだけ世界の標準っぽい何か」にシフトしている年(現行教程のベースは2013年の冬に発刊)ですが、この滑りはかなりハイブリッド的です。
(今まで提唱してきたことと矛盾してるのが明け透けになると困るので、実際の滑りは何年かかけて、ちょっとづつ変えてくのが常套手段です。アハ体験的な。笑)

さて、このハイブリッドスキーというのを説明しますと、簡単に言えば「超内足荷重、完全内足主体」のスキー滑走技術です。外足でターンをリードしたりはせず、外足はそっと添えるだけという、世界の常識と真逆の、本当に謎の滑走技術でした。
日本国内では、「世界の最高峰、ワールドカップのレースシーンでも活用されている技術」なんて触れ込みで雑誌などでも説明され、当時は、全日本技術選(日本一のスキーヤーを決める採点競技大会)においても、外足をなるべく踏まない事が点数が出すための必須条件でした。

この動画の滑りも、1人目は正にそんなハイブリッドな感じです。
ターンの切り換えからターン中まで、内足は雪面から離さない。
むしろ外足よりも多く体重を乗せる。
ターン中は強く外足を踏み込んではいけない。
外向、外傾はなるべく作ってはいけない。

2人目は、姿勢の作り方(棒立ちっぽい感じ)や、描いているターン弧など、雰囲気はハイブリッドですが、操作自体は、切り換えで外足から外足に体重を移していたり、ターン中も外足への荷重が多めと、割と現行の教程に近い操作で滑っています。

世界と比べてという話で言うと、我が国はやはり採点競技がメジャーな国ということもあって、丁寧さというか、板の操作の滑らかさなどは明らかに他国の代表と比べても傑出しており、そこは世界一の精度だと思います。

ニュージーランド

ニュージーランドの滑り、結構好きなんですよねぇ。
シーズンの短い南半球という事もあり、ワールドカップシーンで活躍しているニュージーランドの選手が活躍している所はまず見ることがありませんが、イギリスやアメリカと似た、ベーシックで安定感のある堅実なスキーをする印象があります。

男子

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7:16~7:51

滑りとしては、私の中のイメージでは、2人目の滑走者の方が、よりニュージーランドらしいスキーをしていると思います。

特徴としては、やはりコンパクトさですね。
スキーと身体を不用意に離さない。身体はスキーが雪を削るのに的確な位置にセットされ、常に身体の重さをしっかりとスキーに乗せて、その重さで、板が雪を削りターンを描いている。
オーストリアのスキーの説明でも言った、「身体全体がスキーと一体化したスタイル」が現れていると思います。
(それでも、やはりヨーロッパ勢の方が、滑りの全体的なまとまり感、操作の精度のレベルは高い様に思いますが。)

おわりに

さて、インタースキー2015基礎パラレルターン編、すべて見終わりました!もりだくさんでしたね!
いかがでしたでしょうか?

上手く解説しきれていないところもありますので、是非動画を繰り返し見てみて頂けると嬉しいです。
各国が滑りの基本としている動きをこれだけたくさん観られるこの動画は本当に貴重ですから。

動画の解説でも触れましたが、日本の基準としている滑りは、審美的な面に大きく偏っています。
上手いスキーヤーの滑りには、確かに美しさがあるものですが、見栄えや形を意識しすぎると、本質から遠ざかってしまう場合があります。
視野を広くもち、それぞれの国の運動の狙いと効果を意識しながら、見て、感じ、考えることで、自分のスキーの上達の手助けとなるヒントを、掴んでもらえると嬉しいです。

ではまた!