スキー用語辞典です。
いっぺんに全ては難しいので、記事を書きながらや、思いついたときにだんだんと増やしていきます。
日本では、時期や年代によって、同じ言葉であっても持つ意味や解釈が変わる場合があるので、他の媒体で説明されている用語の意味と異なる場合があります。
なるべくその時々の言葉の解釈ではなく、普遍的で正しい意味を解説していきたいと思っていますが、誤りがある場合もあるかもしれません。その時はお知らせ頂ければ幸いです。
また、過去にあった日本のスキー用語で、有用なものについても、改めてスポットライトを当てられればと思っています。
◆改訂記録
- 2020年8月12日
公開 - 2020年8月16日
説明追記(回旋、外向系傾、外傾、迎え角) - 2020年8月19日
改訂記録欄を作成
訂正(カービング対義語「平板」削除)
追記(単語「迎え角」の方法に踵横押し出し操作を追加)
単語追加(平板、踵の押し出し操作)
あ行
あ
- アルペンスキー
⇒ポールによって規制された斜面を滑ってタイムを計測することで競う競技スポーツ。単に「アルペン」とも言う。
(類義語:競技、競技スキー、レース、レーシング)
- アルペン滑降姿勢
⇒バランス良く板に乗り、外向傾姿勢を取った姿勢。
⇒オーストリアのスキー技術において、滑走の基本姿勢とされている。
⇒日本のSIAでも、滑走の基本姿勢とされている。
⇒原語:(独)Alpines Fahrverhalten (英訳独)Alpine Bacic Position
- アルペンスタイル
⇒いわゆる普通のスキーのスタイルの事。テレマークスタイル等と区別するために言う。
⇒大きなくくりで言えば、基礎スキーやフリースタイルスキーもアルペンスタイルとなる。
⇒大体の人はアルペンスタイルの道具で滑るのが当たり前なので、あまり使われない言葉。
か行
か
- カービングターン
⇒スキー板のエッジを立て、ズレをほとんど生じさせずに滑るターン技術。
⇒スキー板のトップとテールが同じ軌道を通るターンとも言われる。
⇒「カービング」には「彫り込む」という意味があり、厳密な解釈では、的確な荷重と全身の運動によって雪面を深く鋭く彫り込む必要がある。
⇒この場合、荷重と全身の運動を使わずに描く、エッジを立てるのみのズレないターンを「レールターン」と呼んで区別する。
- カービングスキー
⇒カービングターンを容易にするために、しゃもじの様にくびれた形になっているスキー板の事。
- 外向(がいこう)、外向姿勢
⇒板の向きよりも、腰の向きや上半身の向きをターンの外側に向ける事。
⇒実際のターンの方向や、慣性の働いている方向を意識しおへそを向けるようにすると、外向姿勢は作りやすい。
⇒技術的には、しっかりと脚を操作(回旋)して外向姿勢を作るようにする方が後々の上達には良い。
(類義語:外向傾)
- 外向傾(がいこうけい)、外向傾姿勢
⇒外向と外傾を同時にするとできる姿勢。
⇒スキーの超重要要素「回旋・角付け・荷重」をきちんと実践できると自然に現れる姿勢とも言える。
⇒スキーを意のままにコントロールするため(カッコ良いスキーヤーになるため)に、かなり大事!
(類義語:アルペン滑降姿勢)
- 外傾(がいけい)、外傾姿勢
⇒上半身をターンの外側に傾けた姿勢。
⇒しっかりとエッジを立て、スキー板を雪面にグリップさせるために大事。
⇒大きく分けると股関節でつくる方法と、背骨で作る方法の2つがある。
⇒バイクで言うとリーンアウト。
(類義語:外向傾姿勢)
- 回旋(かいせん)
⇒スキー板または脚を、ブーツを中心にして水平方向に回す(捻る)事。
⇒スキーをする上で、最も重要な動きとされる「回旋・角付け・荷重」という三つの運動の一つ。
※注意:回旋は股関節の内旋・外旋運動を使って行えるように練習しましょう!身体ごと板を振り回すと迎え角が作れずターンのコントロールが難しくなります!!
- 踵の押し出し操作
⇒つま先よりも踵を横方向に押し出す操作
⇒一動作で回旋と角付けを同時に行うことが出来る。
(類義語:テールコントロール ※日本のスキー用語、やや死語)
(類義語:シュープ ※恐らく独語か墺語、ほぼ死語)
- 舵取り(かじとり)
⇒スキー板で雪面をとらえ、抵抗を生み出して、スキーと体の進む方向を変えていくこと。
- 荷重(かじゅう)
⇒スキー板に体重を乗せる事。またはその状態。
※スキーでは「加重」(加圧)という言葉と区別して語られることが多い。
⇒スキーをする上で、最も重要な動きとされる「回旋・角付け・荷重」という三つの運動の一つ。
き
- 基礎スキー
⇒日本独自の評価基準、判断基準で競われる採点競技スポーツ。単に「基礎」とも。
(類義語:デモ、デモスキー)
- 脚(きゃく)
⇒股関節から下の、あし全体の事。
- 競技スキー
⇒ポールによって規制された斜面を滑ってタイムを計測することで競う競技スポーツ。単に「競技」とも。
(類義語:アルペン、アルペンスキー、レース、レーシング)
た行
た
- 谷足(たにあし)
⇒ターン中や、斜面を横切って滑っている時に斜面の下側(谷側)にある足の事。
(類義語:谷スキー、対義語:山足)
- 谷回り(たにまわり)
⇒ターンを半円の弧としたときに、ターンの前半半分の事。
は行
は
ひ
- 平板(ひらいた)
⇒サンドイッチ構造のスキー板の事。
⇒カービング形状をしていないスキーを指して、平板と呼ぶ場合もある。
ま行
む
- 迎え角(むかえかく)
⇒スキーヤーの進む(進もうとしている)方向と、スキー板が向いている方向の作る角度。
⇒迎え角を大きくすると、スキー板にぶつかる雪の量が多くなり減速力やスキーが曲がろうとする力が強まる。
⇒大きく分けると、踵の横への押し出しによって作る方法、回旋によって作る方法、板のしなりによって作る方法の3つがある。
や行
や
- 山足
⇒ターン中や、斜面を横切って滑っている時に斜面の上側(山側)にある足の事。
(類義語:山スキー、対義語:谷足)
- 山スキー
⇒ターン中や、斜面を横切って滑っている時に斜面の上側にあるスキー板の事。
(類義語:山足)
⇒ゲレンデではない山岳エリアでするスキーの事。
(類義語:バックカントリースキー、サイドカントリースキー)
- 山回り
⇒ターンを半円の弧としたときに、ターンの後半半分の事。