概要
シュテムはドイツ語で本来は、
- 寄りかかる
- 突っ張る
- 反抗する
- 逆らいながら進む
というようなニュアンスの言葉です。
現代では、「スキーを揃えたパラレルの姿勢から、ハの字形にスキーを開く操作」という意味で使われますが、昔は制動の意味でもシュテムという言葉が使われていました。
現代の日本ではプルークファーレン(ハの字の直滑降)とひとまとめに呼ばれている滑りにも
- シュテム的なハの字の制動
- プルーク的なハの字の制動
と2種類があったようです。
(古い本をいろいろ調べましたが、シュテムとプルークのハの字は何を区別して分けていたのかは、ちょっとまだよくわかっていません。)
シュテム操作を使ってターンを始める滑りを、シュテムターンと呼びます。
どのようなターンか
時期やレベルによっても様々な滑り方・バリエーションがありますが、すごく簡単に言うと、このような流れの滑りをシュテムターンと呼びます。
- ターンを始めるときにハの字を作り
- ターン中もしくはターンの終わりにスキーをパラレルに揃える
一般的には、スキーのレベルが上がれば上がるほど、雪を捉えて足場を作るのが上手になりますので、スキーを揃えられるタイミングが早くなります。
色々なシュテム
現代の日本では、シュテムというと”山側の脚を開いてスキー板をハの字にする”というのが一般的ですが、谷側に脚を開いてシュテムの形をつくるシュテムターンもあります。
それぞれを
- 山開きシュテム(アンシュテメン)
- 谷開きシュテム(アプシュテメン)
と呼びます。
※アンシュテメンとアプシュテメンはドイツ語です。昔のスキーの本の技術解説に少し登場する程度で、現代の日本ではもう使われていません。
動画
動画をいくつか紹介します。
日本のシュテムターン
初級者の目標となるシュテムターン
中級者の目標となるシュテムターン
上級者の目標となるシュテムターン
海外のシュテムターン
もう一つ、オーストリアのシュテムターンを紹介します。
厳密にいえば、オーストリアの指導理論ではこの滑りはシュテムターンではなく、別の新しいターン"プルークシュトイアン(ステアードスノープロウ)"として解説されています。
ですが、動きの組み立てそのものを見れば、シュテムターンと呼んでしまってよいと思います。
(新しい外来語をどんどん取り入れていくとかえって混乱を招くことになると思いますので、多少乱暴かもしれませんが、このサイトではプルークシュトイアンは、シュテムターンの一種として一旦解釈することにします。後々、変えるかもしれません)
昔のシュテムターン
1958年の動画だそうです。滑走者の国籍とどの国のスタイルの滑りかは分かりません。


