用語の概要
ニュートラルとは、
スキーのターン動作やターンの局面の中で、
身体やスキー操作の偏りが一度整理され、次の動作に移行しやすい状態を指す用語です。
主に、
ターンの切り替え付近に現れる一時的な状態や瞬間を表す言葉として使われます。
「止まっている姿勢」や「何もしていない状態」を指す言葉ではなく、
動きの中で一瞬通過する状態として説明される点が特徴です。
用語の使われ方
ニュートラルは、主に以下のような文脈で使われます。
- ターンから次のターンへ移行する場面を説明する際
例:「ターンとターンの間のニュートラルな状態を長めに作る」 - 身体の前後・左右バランスを確認するための言葉として
例:「ニュートラルでやや後ろに傾いているように見えました」 - 次の動作に入りやすい状態を共有するための表現
例:「良いニュートラルがある滑りはターンの始動に余裕がある」
指導現場では、
「ニュートラルに戻る」
「ニュートラルを通過して次のターンに入る」
といった形で、
動作の切り替えを整理するための言葉として用いられることが一般的です。
ニュートラルは、
ターン動作全体の流れを整理する文脈で使われることが多く、
初期段階の練習よりも、ある程度滑走の流れが見えてきた段階で用いられることが多い用語です。
用語の意味の幅
ニュートラルという言葉は、
一見すると分かりやすい表現ですが、
文脈によって指している内容には幅があります。
- 左右の荷重差が一時的に小さくなる状態
- 前後バランスが極端に偏っていない状態
- スキーがフラットになった瞬間やその局面
- 次の動作に入りやすい準備状態
これらが
同時に、または重なって現れる状態を
まとめて「ニュートラル」と呼ぶ場合が多く見られます。
そのため、
具体的にどの要素を重視しているかは、
説明の目的や指導者の意図によって異なります。
別の言い方をすると、ターンとターンのちょうど繋ぎ目、
または、切り換えの「仕上げ」と「始動」の間に存在する一瞬の状態と
表現する事もできます。
端的に、切り換えで斜面に対して垂直に立つ瞬間と呼ばれることもあります。
なお、英語圏(北米系)の指導文脈では、切り換えの中の一瞬よりも動作の流れ全体を重視する傾向があるため、
ニュートラルに相当する言葉で技術を解説することは、あまり見られません。
この「ニュートラル」という言葉は、
体系的には、オーストリア式のスキーの考え方に近いものとして理解されることが多いです。
関連する用語
さらに詳しく知りたい人は
ニュートラルは、
日本のスキー指導や技術解説の中で特に重要な言葉として使われてきた用語の一つです。
背景や使われ方の違いを整理すると、技術理解の見え方が変わる場合もあります。
以下の記事で深掘りしています。
- ニュートラルは「姿勢」か「瞬間」か(準備中)
- ターン切り替えとニュートラルの関係(準備中)
- 日本の指導現場でニュートラルが重視される理由(準備中)

